鮨 みなと

旭川の繁華街、3条通7丁目に静かに暖簾を掲げる「鮨 みなと」。

大将の技と哲学を五感で味わう、まさに「鮨の劇場」と呼ぶにふさわしい、特別な空間として知られています。

その実力は、ミシュランガイド北海道2017特別版において「一つ星」として評価されたことからも明らか。全国の美食家たちが、この店の一貫を求めて旭川まで足を運ぶというのも、決して大げさな話ではないそうです。

店内は、凛とした空気が流れる、白木のカウンターが主役の舞台。 メニューは「おまかせコース」のみ。（カウンター利用の場合）

客はただ席に座り、これから繰り広げられる大将の仕事に身を委ねるだけです。

「鮨 みなと」の真髄は、その徹底した「江戸前の仕事」にあると言われています。

ネタは、北海道産を中心に、全国の漁港からその日最も状態の良いものを厳選。
その最高の素材に対し、〆る、漬ける、寝かせるといった、古来より伝わる丁寧な仕事を施すことで、魚が持つ本来の旨味を極限まで引き出します。

シャリ（酢飯）もまた、この劇場の重要な役者。

口の中でほろりと解けるように計算された硬さと温度、そしてネタとの一体感を生むための絶妙な酢加減は、まさに職人技だと評判です。

コースは、旬の素材を使った珠玉の「つまみ」から始まります。

酒を片手に、これから始まる握りへの期待に胸を膨らませる、至福の時間。

そして、満を持して供される握りは、一貫一貫がクライマックス。

大将の無駄のない美しい所作から生み出される一貫を、最高のタイミングで口に運ぶ。
その繰り返しが、訪れた人を鮨の奥深い世界へと誘います。

ここは、大切な人と特別な時間を過ごすための場所。 賑やかに会話を楽しむというよりは、目の前の一貫に静かに向き合うための空間です。

もちろん「完全予約制」。 予約の電話を入れるその時から、「鮨 みなと」の物語は始まっているのかもしれません。